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交通事故の治療に健康保険が使えるのか
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 交通事故により負傷した場合、医療機関において自由診療にするか社会保険等を使うか聞かれます。自由診療では、医療点数を自由に決められるために高額な医療費になってしまいます。健康保険の医療点数の単価は1点10円ですが、自由診療では、1点が20〜25円になっています。自由診療では同じ医療行為をしながら高額な医療費が病院に入ってくることになります。実費で支払う側にとっては相当な出費になってしまいます。医療機関によっては「交通事故は自由診療だ」という所もあるようです。平成13年の自動車事故による社会保険の利用状況は、10.4%に過ぎません。
 もし、加害者が任意保険に加入していなくて、賠償能力も充分でない場合、自賠責保険を上手に使う必要があります。例えば、自由診療(1点が20円)で治療費が200万円かかったとします。自賠責保険では傷害の場合、120万円まで支払われます。そうしますと、80万円のオーバーですので被害者が自腹を切らなくてはいけません。健康保険を使用すれば100万円の治療費で済みます。120万円−100万円=20万円 (100万円の治療費のうち、被害者本人負担は3割ですから30万円です。もし、加害者の過失割合が10割ですと、残り70万円は保険者が自賠責保険に請求します。)になります。 まだ20万円使えますので、休業損害、慰謝料を請求できるのです。なお、健康保険が立て替えた分は、過失割合によって保険者が加害者側(自賠責保険・任意保険・加害者本人)に請求することになります。
 交通事故のような第三者による不法行為により傷害を負った場合、健康保険が使えます。自動車事故について「健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取扱いについて」と題する旧厚生省の通達(昭和43.10.12保険発第106号)があり、通達の内容は「最近、自動車による保険事故については保険給付(健康保険による医療給付等)が行われないとの誤解が被保険者等の一部にあるようであるが、いうまでもなく、自動車による保険事故も一般の保険事故と何ら変わりもなく、保険給付の対象となるものであるので、この点について誤解のないよう住民、医療機関等に周知を図るとともに、保険者が被保険者に対して十分理解させるよう指導されたい。」(国民健康保険事務提要967頁・市町村実務担当者のための第三者行為実戦ノート13〜14頁、高田橋厚男著・ぎょうせい発行より)
 加害者の過失が100%のとき、加害者に賠償能力が十分にあるとき などは、自由診療でも構わないでしょう。しかし、加害者が自賠責保険だけにしか加入していない場合(賠償能力がない場合)、被害者にも過失がある場合、治療・入院が長引く場合には、健康保険を使用したほうが安全です。ただし、症状が重篤であるとか、生命の危険があるときなどは、「自由診療は断ります」というような悠長なことは言ってられませんから医療機関に任せましょう。
 健康保険等を使用する場合は、医療機関に保険証を提示します。そして、保険者(政府・健保組合・市町村等)に「第三者行為届」を提出します。
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