なぜ示談交渉がスムーズに進まないのか? |
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□ 損害賠償とはどのような意味なのでしょうか? □ 交通事故の不法行為により損害が発生した場合、加害者(損害賠償責任)は被害者(損害賠償請求権)に対し、その損害を填補しなければなりません。 【損害賠償】 一定の事由に基づき他人に与えた損害を填補(てんぽ)して、損害がなかったのと同じ状態にすること。通常、金銭賠償によるが、現状回復による場合もある。(有斐閣:法律用語辞典 より) (損害賠償の方法) 民法第417条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。 (損害賠償の方法及び過失相殺) 民法第722条 第四百十七条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
損害賠償は原則として金銭によるものとされています。しかし、交通事故により命を奪われたり、後遺障害が残り元の体に戻れない場合、金銭賠償により現状が回復されるのでしょうか?賠償金としていくらお金を支払われても、奪われた命が戻るのでしょうか?傷んだ体が元に戻るのでしょうか?現状に回復させることなど無理な話です。 本来、失われた命を、傷ついた体を金銭に評価することなどできません。それならば、どうして損害賠償は金銭によることを原則としているのでしょうか。それは金銭によるもの以外方法がないからです。加害者側は「損害賠償としてこれだけ支払います。」と言い、被害者側は「お金なんかいらない。体を元通りにしてくれ。家族を返してくれ。」と言います。この認識の違いが損害賠償による解決を難しくしている理由です。 □ 保険会社は加害者なのでしょうか? □ 自動車保険のテレビコマーシャルでも「もしもの時は、当社の経験豊富な専任スタッフがお客様に代わり示談代行を行います。複雑な交渉や調停・訴訟の手続きが必要な場合、当社の顧問弁護士が対応しますのでご安心ください。」と謳われています。弁護士でない者が他人の法律事務を業として行えないという弁護士法第72条があります。しかし、かつての大量の交通事故により迅速な処理を求められた結果、損保協会と日弁連の協議により、ある一定の条件下で昭和49年より示談代行サービス付きの家庭用自動車保険が販売されました。現在では示談代行付の自動車保険は一般的です。 損害責任条項第5条(対人賠償ーT社の場合) @被保険者が対人事故にかかわる損害賠償の請求を受けた場合、または当社が損害賠償請求権者から次条の規定に基づく損害賠償額の支払の請求を受けた場合には、当会社は、当会社が被保険者に対して支払責任を負う限度において、当会社の費用により、被保険者の同意を得て、被保険者のために、折衝、示談または調停もしくは訴訟の手続(弁護士の選任を含みます。)を行います。 A前項の場合には、被保険者は当会社の求めに応じ、その遂行について当会社に協力をしなければなりません。 B当会社は次の各号のいずれかに該当する場合は、第1項の規定は適用しません。 (1)被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額が、保険証券記載の保険金額および自賠責保険等によって支払われる金額の合計額を明らかに超える場合 (2)損害賠償請求権者が、当会社との直接、折衝することに合意しない場合 (3)被保険自動車に自賠責保険等の契約が締結されていない場合 (4)正当な理由がなくて被保険者が前項に規定する協力を拒んだ場合 本来、賠償交渉は加害者と被害者との間で直接行われるものですが、以上の事情により被害者と加害者側任意保険会社の担当者と行われることになります。死亡事故の場合、四十九日が過ぎた頃に保険会社の担当者が訪問してきます。そして勝手に命の値段を「計算書」というかたちで持ってくることになります。「この金額の根拠は?」と問うと「当社の基準です。」という回答しか返ってこないのが実情です。 加害者を交えない示談交渉においては、損害賠償額を少しでも抑えたい営利企業である保険会社ですから、百戦錬磨の担当者と被害者では保険会社の方が圧倒的優位に立ってしまうのです。そして、加害者でもない保険会社担当者は第三者の立場で交渉に臨み「命に値段を付ける」ことに終始してしまいますので、誠意を示してほしい被害者側と大きな溝ができてしまうのです。 本来ならば、金銭に換算することができない命に「値段」を付けること、そして、保険会社社員と被害者とは。加害者側が圧倒的な有利な立場で交渉を進める、この二点が示談交渉における大きな壁になっているのではないでしょうか。 ご家族を失った悲しみ、また、お体が不自由になった悲しみはとても深いものです。このような中、示談交渉のために神経をすり減らさなければならない苦労は並大抵なことではありません。是非、交通事故業務の専門家にご相談下さい。専門的なアドバイス・サポートにより少しでも精神的な負担を和らげていただきたいと思います。当事務所では、死亡事故・高次脳機能障害・介護が必要な重度後遺障害を残した被害者の方(ご家族)のお力になることができると信じています。 |
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