後遺障害部位別認定基準:神経系統・精神障害

神経系統の機能・精神障害
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障害の部位 等級 障害の内容
別表第1
(重度後遺障害)
1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
別表第2 3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないの
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することのできる労務が相当な程度に制限されるもの
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

@別表第1第1級1号の「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」は、「重度の神経系統の機能又は精神の障害のために、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」、です。脳損傷に基づく高度の片麻痺と失語症との合併、脳幹損傷に基づく用廃に準ずる程度の四肢麻痺と構音障害の合併など日常全く自用を弁ずることができないもの、又は高度の痴呆や情意の荒廃のような精神症状のため、常時看視を必要なものが、これに該当します。

A別表第1第2級1号の「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」は、「高度の神経系統の機能又は精神の障害のため、随時介護を要するもの」です。脳損傷に基づく運動障害、失認、先行、失語のため、自宅内の日常行動は一応できるが、自宅外の行動が困難で、随時他人の介護を必要とするもの及び痴呆、情意の障害、幻覚、妄想、発作性意識障害の多発などのため、随時他人による看視を必要とするものがこれに該当します。

B「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」は、「生命維持に必要な身の回り処理の動作は可能であるが、高度の神経系統の機能又は精神の障害のために終身にわたり、およそ労務につくことができないもの」です。四肢の麻痺、感覚異常、錐体外路症状及び失語症等のいわゆる大脳巣症状、人格変化(感情鈍麻及び意欲減退等)又は記憶障害などの高度なものがこれに該当します。

C「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」とは、神経系統の機能の障害による身体的能力の低下、又は精神機能の低下などのため、独力では一般平均人の4分の1程度の労働能力しか残されていない場合がこれに該当します。

D「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」は、「中等度の神経系統の機能又は精神の障害のために、精神身体的な労働能力が一般平均人以下に明らかに低下しているもの」です。「労働能力が一般平均人以下に明らかに低下しているもの」とは、独力では一般平均人の2分の1程度に労働能力が低下していると認められる場合をいい、労働能力の判定にあたっては、医学的他覚所見を基礎とし、さらに労務遂行の持続力についても十分に配慮して総合的に判断することになります。

E「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することのできる労務が相当な程度に制限されるもの」は、「一般的労働能力は残存しているが、神経系統の機能又は精神の障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」です。身体的能力は正常であっても、脳損傷に基づく精神的欠損症状が推定される場合、てんかん発作やめまい発作の発現する可能性が、医学的他覚所見により証明できる場合、あるいは軽度の四肢の単麻痺が認められる場合などがこれに該当します。

F第12級は、「労働には通常差し支えないが、医学的に証明できる神経系統の機能又は精神の障害をのこすもの」です。中枢神経系の障害であって、例えば、感覚障害、錐体路症状及び錐体外路症状を伴わない軽度の麻痺、気脳撮影、その他他覚所見により証明される軽度の脳萎縮、脳波の軽度の異常所見等を残しているものがこれに該当します。なお、自覚症状が軽い場合であっても、これらの異常所見が認められるものは該当します。

G第14級は、「労働には差し支えないが、医学的には証明可能な所見のあるもの」をいいます。

H 脊髄の障害
外傷などにより脊髄が損傷され、対麻痺は四肢麻痺が生じた場合、広範囲にわたる感覚障害や尿路障害などの腹部臓器の障害が認められるなど複雑な諸症状が出現します。この場合の障害認定は、身体的所見及びMRI、CT等によって裏づけることができる麻痺の範囲と程度により、下記のとおり7段階に区分して障害が認定されます。

 別表第1第1級1号「生命維持に必要な身の回りの処理について常時他人の介護を要するもの」
○ 別表第1第2級1号「第1級の後遺障害に近い状態であるが、常時介護の必要がなく、また、常時看視の必要がないが必要に応じて随時介護を要するもの」
○ 別表第2第3級3号「身の回りの処理についての動作は可能であるが、終身にわたり労務に服することができないもの」
○ 別表第2第5級2号
「身体的能力が一般平均人以下に、明らかに低下しているもの」
○ 別表第2第7級4号
「肉体的労働能力が、一般平均人以下に、明らかに低下しているもの」
○ 別表第2第9級10号
「一般的労働能力はあるが、明らかな神経症状が残存し、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限を受けるもの」
○ 別表第2第12級13号
「労働には通常差し支えないが、医学的に証明し得る神経症状を残すもの」

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